コンセプトを大切にする

~ コンセプト喪失でブランドは崩れる ~
ブランドの基礎は心意気というお話をしましたが、コンセプトとはこの心意気に他なりません。このコンセプト(心意気)が揺らぐとブランドはすぐに崩れてしまいますので気を付けましょう。
例えば「お客様が第一」をコンセプトにブランドづくりを進めていたとしましょう。しかし経営を考えた場合、顧客対応に掛かるコストが気になります。電話やリアルな対応要員を用意するのも決して楽ではありません。
またコストを理由に素材の質を落としたり、工程を省く。サービスをできるだけ短時間で済ませるなどのコンセプトに反した行為を経営者自らがやってしまいます。
それがコンセプトを守れる範囲内ならよいのですが、あっという間に広がりブランドの根幹は揺らいでしまいます。
「経営のために背に腹は代えられない」
というのが経営者の弁解だと思いますが、ブランド構築にとってコンセプトを反故にするのは最悪の事態です。
コンセプトが崩れた影響は急に現れません。『品質を落としてみたけど変化がないから大丈夫じゃないか』と思ってしまいがちです。しかし、時間が経つとお客様は変化に気がつきます。深刻なのは従業員の心が蝕まれることです。
「ごまかしていい。コンセプトに反しても構わないんだ」
従業員の心がブランドから離れ、好き勝手なことをし始めるとそれまで築き上げてきたブランドは静かに、そして確実に崩れてゆきます。
どれだけ辛くてもブランドコンセプトだけは維持しましょう。コストの問題は従業員と話し合って、どうすればコンセプトに反しないように切りつめられるかを真剣に議論してください。必ず答は見つかります。
コストを掛けなくても心意気がしっかりしていればブランドは守れます。例えばコールセンターがなくても「真心を込めた電話対応」ができればお客様はついて来てくれます。
コンセプトを言葉遊びにせず心から実践・共有できるものにしていきましょう。